犬の散歩は毎日となると、大変だなと思ったことはありませんか?
ただの運動だと思って、ルーティーンにしている方も多いのではないでしょうか。
実は犬の散歩にはストレスの発散だけではなく、それ以上の大切な役割がたくさんあるのです。
この記事では散歩が犬の健康や行動にどのような影響を与えるのか、そして飼い主さんにとってもなぜ大切なのかを解説していきます。
また、適切な散歩の距離や頻度、あると便利なものや散歩のマナー、困ったときの対処法についてもご紹介します。
散歩の重要性を理解し、犬との生活をより充実した日々にしましょう。
この記事でわかること
- 犬の散歩が必要な理由
- 犬の散歩の頻度と時間
- 犬の散歩であると便利なもの
- 犬の散歩のマナーやルール
- 犬の散歩に関することで困ったときの対処法
犬の散歩はなぜ必要なのか?
犬の散歩って、毎日となると結構大変なんだけど…
連れていかないとダメなの?
犬にとって散歩は健康やストレスに直結する、とても大切なものであり多くのメリットがあります。
主なメリットとして、次の4つがあげられます。
- 運動不足とストレスの解消
- 他の犬とのコミュニケーション
- においや音などの刺激を通して、社会性を身につける
- 飼い主との信頼関係を築く
ひとつずつ説明していきますね。
運動不足とストレスの解消
運動不足は、犬にとって大きなストレスの要因です。
ストレスが溜まると、以下のような症状が現れます。
- よく吠える
- 元気がなくなる
- 病気になりやすくなる
- 問題行動を起こす
また定期的な運動は骨や筋肉、関節の発達や健康維持にも重要です。
散歩はワンちゃんだけではなく、飼い主さんの生活習慣の改善や健康にも繋がるので、ぜひ毎日の習慣にしてくださいね。
他の犬とのコミュニケーション
犬はにおいを嗅ぐことによって、いろんな情報を得ています。
排泄物や地面に残ったにおいを嗅ぐことで、誰がいつ通ったのか、どんな犬なのかが、わかります。
自分が生活している場所にはどんな犬がいるのか知っておくことは、ワンちゃんが安心して過ごすために必要です。
また毎日決まった時間、決まったコースを散歩していると、近所の別の犬と友達になれるかもしれません。
友達ができればワンちゃんも散歩がより楽しい時間になり、さらに充実した散歩時間になるでしょう。
ただし、犬もそれぞれ性格があります。
臆病な子やおとなしい子は、他の犬と接することを怖がるかもしれません。
それでも時間をかけて慣れていく場合もありますので、ワンちゃんが他の犬との接触を嫌がるなら無理強いはせずのんびり見守ってあげましょう。
においや音などの刺激を通して、社会性を身につける
散歩中に飼い主さん以外の人や周りの景色、自動車や生き物などを見たり、音を聞いたりすることで社会性を身につけられます。
社会性を身につければ、むやみに吠えたり噛みついたりなどの問題行動を起こしにくくなります。
さまざまなものや音に慣れさせておくことで、恐怖や警戒心がなくなるからです。
その結果、ワンちゃんにストレスの少ない日々を送らせてあげられますよ。
飼い主との信頼関係を築く
一緒に散歩することで、飼い主さんとワンちゃんとの信頼関係を築けます。
例えば吠えかかってくる犬に対してワンちゃんを守ったり、散歩中のマナーやルールをワンちゃんに教えたりすることで、ワンちゃんが安心して散歩を楽しめるようになります。
安心感をワンちゃんに与えられると、飼い主さんのことを「頼りになる人」と思うようになり、ますます信頼関係を深められるでしょう。
楽しい散歩の時間を過ごして飼い主さんとの絆が深まれば、ワンちゃんが飼い主さんの指示に従いやすくなり、しつけもしやすくなりますよ。
信頼関係を築くには散歩中のワンちゃんの行動をよく観察し、コミュニケーションを取ったりスキンシップをしたりするなどして、ワンちゃんの気持ちに寄り添うことが大切です。
犬の散歩の頻度や適切な時間
犬にとって散歩は、心と体の健康の為にとても大切です。
散歩の理想的な頻度は、朝と夕方の1日2回です。
特に夏の日中の日差しが強い時間帯は、避けましょう。
ただし必要とされる距離や時間は、体の大きさや犬種、年齢や健康状態によって異なります。
犬に合わせて調節してくださいね。
小型犬の散歩時間
トイプードル、チワワ、ミニチュアダックスフンドなどの小型犬の場合は、体のサイズが小さく骨も細いため、長時間の散歩は関節などの負担となってしまいます。
成犬になっても体重が3kg程度の小型犬は、1日に2回、30分程で距離は1~2km程度にとどめましょう。
負荷がかかりすぎないように、坂道や階段の多いコースを避けることも大切です。
中型犬の散歩時間
柴犬やフレンチブルドッグ、ボーダーコリーなどの中型犬は、1日に2回、1回につき30~60分程度の時間を取るのが理想的です。
ただ、ウェルシュコーギーやビーグルなど狩猟犬や牧羊犬として活躍していた犬種は、多くの運動量を必要とする傾向があります。
歩くだけではストレス発散にならないことがあるので、物足りなさそうにしているときはドッグランへ行くなど、気分を変えて思い切り走らせてあげましょう。
大型犬の散歩時間
ゴールデンレトリーバーや、ダルメシアン、秋田犬などの大型犬になると、1日の散歩時間も長くなります。
目安の時間は、1日に2回、1回につき60~90分程度で距離は3~4kmが理想です。
ただし、体が大きいため、激しい運動は関節や心臓に負担を与える可能性があります。
大型犬は走ることよりも、ある程度の長距離で時間をかけてゆっくり歩いてあげることが大切です。
犬の散歩であると便利なもの
ワンちゃんと散歩に行く際、どんなものを持って出かけますか?
散歩の必需品から、あると安心なアイテムまでをご紹介します。
絶対必要なものが、次の3つです。
- 首輪(ハーネス)とリード
- ビニール袋とペットボトルのお水
- スマホ(携帯電話)
いざという時のために、持っていると助けになるものが次の4つです。
- タオルや犬・人用のレインコート
- ティッシュ、ウェットティッシュ
- 犬のお気に入りのおやつやおもちゃ
- お財布、現金
さまざまなアイテムがありますので、必要に応じて準備してくださいね。
散歩に絶対必要なアイテム
まずは犬の散歩をする上で、なくてはならないものをご説明します。
首輪(ハーネス)とリード
これがないと、お散歩は始まりません。
首輪をつけたときに、首と首輪の間に指が1本入り、なおかつリードをつけて引っ張っても抜けないサイズに調整しましょう。
ビニール袋とペットボトルのお水
犬の排せつ物を拾ったり、おしっこをしたときに水で流したりするのは、飼い主として当然のマナーです。
においが広がらない高機能のウンチ袋もありますのでおすすめです。
ペットボトルは飲み水用としても役立つので、用意しておきましょう。
スマホ(携帯電話)
スマホは持って行かないと言う方もいらっしゃいますが、散歩中に緊急事態が起こったとき、家族や動物病院に連絡を取るために必要です。
ワンちゃんとの楽しい散歩の時間を撮影するのも楽しいですね!
散歩に持って行くと便利なもの
次にご説明するのが、何かあったときのために持っていると助けになるものです。
タオルや犬・人用レインコート
突然雨が降ってきたときのために、用意しておくと便利です。
犬用レインコートがあると、急な雨でも犬の体が汚れにくくなります。
タオルは体を拭くだけでなく、けがをしたときにも役立ちます。
小さいサイズのものを用意すると、かさばらないのでおすすめですよ。
ティッシュ、ウェットティッシュ
犬の体が汚れたときや、飼い主さんも使えるため、用意しておくと便利です。
ウェットティッシュがなくても、ティッシュに水を含ませたものでも代用できます。
犬のお気に入りのおやつやおもちゃ
犬用のおやつは、犬が歩かなくなったときや、しつけのご褒美アイテムとして使います。
散歩を楽しむためのアイテムとして、犬のお気に入りのおもちゃを用意しておくとよいでしょう。
お財布、現金
少しの小銭でもいいので現金を持っていれば、水を購入できます。
持ってきた水がなくなっても、購入して飲み水としたり、排せつ物を洗い流したりできますよ。
散歩用のバッグに、小銭を忍ばせておくのもおすすめです。
犬の散歩マナーやルール
犬の散歩にいく際には、いくつかのマナーやルールを守ることが必要です。
- 必ずリードをつける
- 基本的なしつけをしておく
- 排せつ物は必ず持ち帰る
- 無理に他の犬とコミュニケーションを取らない
これらの注意点について、説明していきますね。
必ずリードをつける
犬を散歩させるときには、必ずリードをつけましょう。
しつけが十分されている犬でも、リードは不可欠です。
ノーリードで散歩させることは、各都道府県が定める「動物の愛護および管理に関する条例」によって、条例に反する行為となりますので注意しましょう。
また、リードが長すぎると飼い主さんのコントロールが効かず、思わぬ事故を引き起こしてしまいます。
同様の理由から、伸縮リードの利用もおすすめできません。
飼い主さんがコントロールできるように、リードは短めに持ちましょう。
基本的なしつけをしておく
散歩中に起こるトラブルとして、他の人や犬への飛びつきや吠え、拾い食いなどがあげられます。
こういったトラブルを防ぐ為にも、ワンちゃんと飼い主さんが適切な距離を保って歩く「リーダーウォーク」の練習をしておきましょう。
また、リードが外れてしまったり、車道へ飛び出しそうになったりなど、万が一何か起こっても「オイデ」や「マテ」のしつけができていれば危険を回避できます。
排せつ物は必ず持ち帰る
基本中の基本ですが、ワンちゃんがウンチをしたら飼い主さんがきちんと処理をして、持ち帰ることがマナーです。
また、おしっこをさせるときは側溝や排水溝周辺でさせ、水を使って洗い流すようにしてください。
他人の家の前にある電柱や、商店街の店頭などでおしっこをさせるのはマナー違反ですのでやめましょう。
無理に他の犬とコミュニケーションを取らない
犬にはそれぞれ性格があり、おとなしい子や他の犬が苦手な子、警戒心の強い子もいます。
他の犬と無理にコミュニケーションを取ることは、やめましょう。
相手の飼い主さんが嫌そうにしているときも同じです。
犬同士で挨拶させるときは、事前に「大丈夫ですか?」などと声をかけ、お互いの犬の様子を見ながら徐々に近づけるようにしましょう。
犬の散歩に関することで困ったときの対処法
飼い主さんが経験しがちな困りごととして、次のようなことがあげられます。
- 仕事の都合や体調不良、急な用事などでどうしても散歩にいけない。
- 犬が散歩を嫌がっている。
- 散歩中に吠えたり引っ張ったりする、歩かなくなるなど犬の行動に困っている。
こんなとき、どのように対処したらよいのでしょうか?
散歩に関する困りごとについて、対処法をご紹介していきます。
どうしても散歩に行けない
飼い主さんの中には「今日も散歩に行ってあげないと」と、義務に思っている方もいるのではないでしょうか?
犬にとって散歩は健康維持や社会性を身につける為に必要なことですが、「散歩は毎日欠かさずにいくもの」という義務感でいくと、犬にもその気持ちが伝わってしまいます。
あくまでも散歩は飼い主さんにとってもワンちゃんにとっても、楽しむものだということを忘れないでください。
散歩に行けないときは、お家でボール遊びなどでも構いません。
行けるときに思いっきり相手をしてあげることで、飼い主さんの負担も少なくなり、ワンちゃんもストレスなく過ごせますよ。
犬が散歩を嫌がっている
犬が散歩を嫌がる理由として、次のようなことが考えられます。
- 小さいころに外に出る経験をさせなかった
- ワンちゃんが楽しいと思える散歩をさせていない
- 神経質や臆病などの性格
さまざまな理由がありますが、散歩への苦手意識を持っていることがほとんどです。
そこで、苦手意識を改善する為の方法をご紹介いたします。
少しでもいいので、外に出る練習をする。
初めは歩かなくても、抱っこしていても構いません。
誰もいない静かな所で、においを嗅がせるだけでもいいです。
段階を踏んで、少しずつ外に慣れさせてあげてください。
そのうち短くてもいいので少しでも歩けるようであれば、たくさん褒めてあげましょう。
犬が歩くことに重点を置かない
犬の散歩を人のウォーキングと同じ、と考えている飼い主さんも多いです。
しかし犬の散歩は歩くだけではなく、においを嗅いで犬同士の情報を得ています。
そのため、ずっとにおいを嗅いで動こうとしないワンちゃんを引っ張ると、ワンちゃんだけでなく飼い主さん自身も散歩を楽しめなくなります。
ワンちゃんのペースに、ある程度合わせることも大切です。
においをあまり嗅がないでスタスタと歩きたい子、においを嗅いでばかりで先に進まない子など、シッティングをしていると、いろいろな子に出会います。
あなたのワンちゃんはどんな性格の子なのか、見極めてくださいね。
ワンちゃんを尊重しないで歩くことに重点を置いてしまうと、ワンちゃんは「あなたとの散歩は楽しくない」と感じ、散歩嫌いになってしまうかもしれません。
成功体験を積み重ねる
散歩が苦手なワンちゃんに、いきなり長時間の散歩は控えましょう。
時々ではなく、毎日続けて成功体験を積み重ねていくことが大切です。
毎日5分でもいいので、少しずつ練習を続けてください。
散歩中の犬の行動に困っている
ワンちゃんの散歩中の行動に、困ることもあるのではないでしょうか。
よくある行動に対しての対処の方法をご紹介します。
他の犬に吠えてしまうとき
おやつなどで誘導して、相手の犬から速やかに離れましょう。
他の犬と会わないように散歩の時間を変える、他の犬の存在に早く気づくように見通しの良いコースを選ぶなどの工夫が必要です。
「他の犬に吠える」ということを繰り返させないよう、気をつけましょう。
リードを引っ張ってしまうとき
犬がリードを引っ張って困るときは、次の手順で一緒に歩くことを教えてあげましょう。
- その場で一旦止まる
- おやつなどを使って、飼い主さんの横にワンちゃんを誘導する
- アイコンタクトを取りながら再び歩き出す
- そのまま横について歩けたら、褒めてからおやつを与える
この動作を繰り返し行えば、ワンちゃんが飼い主さんの行動を意識するようになり、引っ張り癖がなくなりますよ。
犬が歩かなくなってしまった
犬が散歩中に歩かなくなる理由として、次のような理由が考えられます。
- 首輪やハーネスのサイズが合わなくなって、首や体を締め付けている
- 散歩コースに怖いものがある
- 毎日同じ散歩コースで飽きている
- 飼い主さんに抱っこしてほしい、疲れてしまった
- けがや病気にかかっている
- 暑い、寒いなどの気温の変化
散歩道具の問題や散歩自体の問題、ワンちゃん自身の問題など、理由はさまざまです。
犬の様子をよく観察して、対応しましょう。
散歩中にワンちゃんが歩きたがらないときに、さまざまな要求を飼い主さんにしてくることがあります。
求めるたびに叶えてしまうと、「要求すれば叶う」と学習して今後も歩かなくなってしまう可能性があります。
けがや病気が原因でない限り、歩き出すまで待ちましょう。
おやつなどのご褒美を使うのもいいですが、おやつがもらえるまで歩かなくなるなど逆効果になることもあります。
少し歩いたら褒める、さらに歩いたらおやつを与える、次のお散歩はおもちゃだけにするなど、おやつは「たまにあげる」ことがポイントです。
犬の散歩の必要性を理解してワンちゃんとの生活を楽しもう
今回の記事では、犬の散歩の必要性を解説いたしました。
そして犬の大きさごとに適した散歩時間や、必要なアイテム、散歩のマナーや注意点についてもご紹介しました。
まとめは次の通りです。
<犬の散歩はなぜ必要なのか?>
- 運動不足とストレスの解消
- 他の犬とのコミュニケーション
- においや音などの刺激を通して、社会性を身につける
- 飼い主との信頼関係を築く
<散歩の頻度や適切な時間>
- 散歩に頻度は1日に2回、朝と夕方が理想的
- 小型犬の散歩時間は1日2回、30分程度
- 中型犬の散歩時間は1日2回、1回につき30分程度
- 大型犬の散歩時間は1日2回、1回につき60~90分程度
<犬の散歩のときの必需品とあると便利なもの>
- 首輪(ハーネス)とリード
- ビニール袋とペットボトルのお水
- スマホ(携帯電話)
- タオルや人・犬用レインコート
- ティッシュ、ウェットティッシュ
- 犬のお気に入りのおやつやおもちゃ
- お財布、現金
<犬の散歩のマナーやルール>
- 必ずリードをつける
- 基本的なしつけをしておく
- 排せつ物は必ず持ち帰る
- 無理に他の犬とコミュニケーションを取らない
<犬の散歩に関して困ったときの対処法>
- どうしても散歩に行けないときは?→行けるときに思いっきり相手をしてあげる
- 犬が散歩を嫌がるときは?→少しずつ外に出して慣れさせる
- 散歩中の犬の行動に困ったときは?
- 他の犬に吠えるなら→その場から離れる、散歩コースを見直す
- リードを引っ張ってしまうとき→飼い主さんの横を歩く練習をする
- 犬が歩かなくなってしまった→犬の様子をよく観察して、理由によって対処する
散歩の必要性を理解して、犬との散歩を楽しい時間にしましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。