うちの子、物を咥えて離さない。危ないと思って取り上げようとすると噛もうとしたり唸ってくる…
触って欲しくないものや危ないものを犬が離さないと心配ではありませんか?
物を集める癖があったり、散歩中に拾い食いしようとする場面もあるでしょう。
無理に取り上げようとすると興奮して唸ったり噛んだりすることもあります。
この記事では、ドロップ(離せ)のしつけをする意味と方法をご紹介しています。
ワンちゃんの安心、安全な生活のためにぜひ覚えておくといい「ドロップ」です。
どうぞ最後までお読みください。
犬にドロップを教える必要性
ドロップ(Drop)とは犬が拾ったものを手放すことを教えるコマンドです。
ドロップができないとワンちゃんにとって危険なこともあり、飼い主は心配が尽きません。
実際に拾い食いをしてしまい大怪我をするという事例も少なくありません。
ドロップを教える理由
玉ねぎやユリなど、犬にとって中毒になってしまうものは家の中にも散歩中にもあります。
危ないと思い、無理に取り上げようとしても犬は取られたくないので反射的に飲み込んでしまうことがあります。
中毒になるとわかっているものを犬が咥えていたら、飼い主も焦ってしまいますよね。
中毒性のないものでも誤飲につながり、大きいものを飲み込んでしまったり消化できないものを飲み込んだりすると手術になることもあります。
飲み込んだものによっては命の危険もあります。
誤飲事故 実例
実際にあった誤飲事故を紹介します。
2014年 ポーランドに住むグレートデンが靴下43個丸飲み
2015年 オハイオ州に住むドーベルマンがゴルフボールを26個丸飲み
靴下を集めるのが好きな犬は多いです。
片方なくなったな、と思っていても見ていないところで飲み込んでしまうこともあります。
ゴルフボールは、大きな犬には飲み込める大きさです。
遊んでいると思っていても飲み込んでしまっていたら、と思うと怖いですよね。
犬にドロップをしつける方法
ドロップができると危険を回避することができます。
ドッグランや散歩など他の犬と関わるときにもドロップができたらトラブルも少なくなります。
ワンちゃんのためにもぜひ覚えさせたいコマンドですね。
しつける方法を紹介します。
指示する言葉を決める
人により指示する言葉が違うと犬は意味が分からず戸惑ってしまうことがあります。
家族の間で同じ言葉で指示するようにしましょう。
ドロップは日本語に言い換えると「ちょうだい」や「離せ」になります。
日本語はシチュエーションや性別、年齢によってニュアンスが変わります。
例えば、「ちょうだい」ひとつにしても「ちょうだい」とはっきり言い切るときもあれば「ちょーだい」と発音するときもありますよね。
それが犬にとっては分かりにくい場合もあります。
- 明確で発音が少ない
- 人間同士の会話と区別がしやすい
- 言葉が統一されていて分かりやすい
英語で指示を出すと効率的にしつけができます。
英語だとドロップの他に「オフ」と言ったりもしますよ。
言いやすい方でしつけをしてみてください。
ドロップをしつける手順
指示する言葉を決めたら手順に沿ってしつけをしましょう。
①遊び始める前におやつを隠し持っておく
→すぐ取り出すことができて、犬に取られないポケットなど
②おもちゃをくわえたら手を出して「ドロップ」と声をかけ、隠し持っていたおやつを反対の手で見せる
③犬がおもちゃを離したら、おもちゃを取りおやつをあげて褒める
④犬がおやつを食べ終えたら、またすぐにおもちゃを投げて遊んであげる
①〜④を繰り返す
慣れてきたら少しずつおやつを出すタイミングをずらします。
最初は「ドロップ」と手を出したらすぐにおやつを見せます。
だんだんと「ドロップ」と手を出して、おもちゃを離したらおやつを見せるという流れに変えていきましょう。
おもちゃを離せばおやつがもらえると理解できるようになってきます。
①〜④の手順を1回でやめてしまうと、「おもちゃが取られる」とマイナスな学習してしまいます。
何度も遊び続けることで「おもちゃを離しても取られない」「また遊んでもらえる」と覚えていきます。
終わらせるタイミングはランダムにして、最後は「おしまい」と終了の合図をして終わるようにしましょう。
犬にドロップをしつける時のポイント
ドロップをしつける手順の紹介をしましたが、個体差があります。
なかなか覚えられないときのコツを紹介します。
根気強く向き合ってあげましょう。
なかなか覚えないときのコツ
おもちゃを取ろうとすると唸ったり噛んだり、逃げたりすることがありますよね。
これは取られてしまうと思うからの行動です。
犬が離すまで待つようにし、無理に引っ張らないようにしましょう。
唸ったり噛まないからといって、無理に取ろうとすると引っ張り合いの遊びだと勘違いさせてしまいます。
その遊びが楽しくて離さなくなることもあるので引っ張らないようにしてください。
指示が通っていないと感じるときは言い方を変えてみましょう。
「ドロップ」と声をかけて引っ張ってしまった経験がある場合、「ドロップ」=「取られる」と、すでに学習してしまっているかもしれません。
違う言葉に変えることで、新しく学習することができます。
「ちょうだい」や「離せ」「オフ」など別の言い方に変えてみるといいですね!
しつけに使うおもちゃは、犬のお気に入りではないおもちゃにしましょう。
大好きなものは人間でもなかなか人にあげたくないものです。
犬も同じなので、そこそこ気に入っているくらいのおもちゃから始めます。
できるようになってきたらお気に入りのおもちゃに変えていくようにします。
楽しく覚えてもらう
人が楽しくないと勉強が続かないように、犬も楽しくないとしつけできません。
できた時はおやつだけではなく一緒に喜び、褒め言葉をかけるようにします。
できるようになったら、ご褒美のおやつの頻度を減らします。
「ドロップ」で離せるようになったら「できたね!」の褒め言葉だけで、おやつがなくてもできるようになるのが理想です。
ですが、できるようになってもランダムでおやつをあげるようにします。
これは間欠強化(かんけつきょうか)といい、ご褒美をもらえたりもらえなかったりを繰り返す中で学習したことは、ご褒美をもらえなくなっても行動が消失しにくいと言われています。
当たるか分からない、確率の低い宝くじが当たったら嬉しいのと同じですね。
犬にドロップにしつけをする方法をマスターしましょう
この記事では、犬にドロップをしつける必要性と手順、コツをご紹介しました。
ドロップができないと誤飲をしてしまうことがあり、飲み込んだものによって中毒を起こす危険もあります。
危険を回避するためにもドロップは教えておきたいコマンドです。
ポイントをもう一度確認しましょう。
①すぐ出せて犬に取られないポケットなどにおやつを隠し持っておく
②おもちゃをくわえたら手を出して「ドロップ」と声をかけ隠し持っていたおやつを反対の手で見せる
③犬がおもちゃを離したら、おもちゃを取りおやつをあげて褒める
④犬がおやつを食べ終えたら、またすぐにおもちゃを投げて遊んであげる
①〜④を繰り返す
1回で終わらせると、取り上げられてしまうとマイナスな学習をすることがあります。
何度も繰り返し遊んであげましょう。
やめる時はランダムにし「おしまい」と合図をして終わるようにします。
・少しずつおやつを出すタイミングをずらす
→最初は「ドロップ」と手を出したすぐにおやつを見せる。
だんだんと「ドロップ」と手を出して、おもちゃを離したらおやつを見せる、にしていくとおもちゃを離せばおやつがもらえると理解していきます。
・無理に引っ張らない
・「ドロップ」の言い方を変えてみる
・お気に入りのおもちゃではないものから始める
・できるようになったらおやつの頻度を減らしていく
・おやつは完全に無くすわけではなく間欠強化のためランダムにおやつをあげる
間欠強化(かんけつきょうか)・・・ご褒美をもらえたりもらえなかったりを繰り返す中で学習したことは、ご褒美をもらえなくなっても行動が消失しにくい
個体差があり、覚えやすい子もいればなかなか覚えられない子もいます。
根気強く向き合い、できた時には一緒に喜んであげましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。