
今日もお散歩中、うちの子に飛びつかれたのよね。どうして飛びついてくるんだろう?
ワンちゃんとお散歩していると、やたらと自分に飛びついてきて困るという飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
毎日毎日飛びつかれると歩きにくいし、お散歩が憂鬱になってしまいますよね。
ワンちゃんがお散歩中に飛びつくのには、さまざま理由があります。
その中には、飼い主さんの対応が原因となっている場合もありますよ。
飛びつく行為をそのままにしておくと、飼い主さんにとっても危険ですし、ワンちゃん自身の体にとっても悪影響がでてきます。
この記事では、ワンちゃんが飛びつく理由やリスク、状況別の正しい対処法について解説します。
ワンちゃんの飛びつく行為をやめさせて、スムーズなお散歩がしたいとお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事を読むとわかること
- 犬がお散歩中に飛びつく理由
- 犬が飛びつくことで起こるリスク
- 犬の飛びつく行為をやめさせる対処法
- 飛びつく状況別の改善方法4選
- 飛びつく犬にやってはいけない飼い主さんのNG行動
- 対処法を試しても直らない場合の対応
犬がお散歩中に飛びつく4つの理由


なぜ犬がお散歩中に飛びつくのでしょうか。
考えられる理由は、大きく分けて以下の4つです。
- 喜びの感情表現
- 欲求をアピールしている
- 学習したため
- 自己防衛
1つずつ解説しますね。
喜びの感情表現
犬がお散歩中に飛びつく主な原因は、感情の高ぶりや興奮状態です。
飼い主さんや他の人、動物に対して、犬は喜びや興味を飛びつくことで表現する場合があります
特に外界の刺激を多く受けるお散歩中は、感情が高まり飛びつき行動が起こりやすくなります。
欲求をアピールしている
「飼い主さんの顔を舐めたい」「動くものを噛みたい」といった欲求が、飛びつく行動として現れる場合があります。
飼い主さんの顔を舐める行為は、子犬の時期に母犬から食べ物をねだる行動からきていて、甘えたいときや何かしてほしいときなどにします。
またテリア系の犬種は、本来狩猟犬として活躍していたので動くものに反応しやすいため、飛びつく傾向があります。
学習したため
飛びつくことで注目や報酬を得られると学習したことも、理由のひとつにあげられます。
飼い主さんが無意識に行っている行動が、犬の飛びつきを助長していることもありますよ。
例えば飛びついてきたときに、撫でたり話しかけたりしていませんか?
「飛びつけば飼い主さんが自分に注目してくれる」という経験が何度も続くと、犬はその行動が望ましいものだと認識してしまいます。
自己防衛のため
ワンちゃんが臆病な性格だと、不安や恐怖を感じ自己防衛の手段として飛びつくことをしているのかもしれません。
特に小型犬や子犬の場合、大きな存在(人や他の犬)に対して、威嚇や自己主張するために飛びつく傾向があります。
自分を守るための本能的な反応であり、相手との距離を保とうとする行動の一つです。
犬が飛びつくことで起こるリスク





飛びつくって元気な証拠じゃないの?やめさせなくてもいい気がするけど。



いいえ、やめさせましょう。犬自身にも周囲の人にも悪影響を及ぼしてしまいますよ。
犬の飛びつく行為をやめさせる必要がある、2つの理由を解説しますね。
犬に身体的な負担をかける
飛びつく行為は、犬の関節や筋肉に過度の負担をかけてしまいます。
小型犬は体重が軽いので、頻繁に飛びつく行動をとる傾向があります。
何度も繰り返される飛びつきは、前足や肩の関節に悪影響を及ぼすかもしれません。
また、着地の際に足を痛める危険性も高くなります。
関節炎や靭帯損傷などの健康問題につながる恐れがあるでしょう。
さらに大型犬の場合は体重が重いため、飛びつきはより大きな身体的負担がかかります。
高齢になったときに、寝たきり状態になる要因にもなり得ますよ。
周囲に危険を及ぼす可能性がある
飛びつく行動は、飼い主さんや周囲の人々に危険を及ぼしかねません。
特に子どもや高齢者、体の不自由な方にとっては深刻な問題となるでしょう。
予期せぬ飛びつきにより、転倒や怪我を引き起こす恐れがあるからです。
また、爪で服を傷つけたり、顔に当たって怪我をさせたりする可能性も考えられます。
公共の場所では他の人や動物を驚かせ、トラブルの原因となるかもしれません。
犬に飛びつくのをやめさせる5つの対処法





飛びつきをやめさせなきゃいけないのはわかったけど、どうすればいいの?何度も注意しているけれど、やめてくれないのよね。



注意をするよりも効果的な方法がありますよ。
ワンちゃんの飛びつく行為をやめさせる5つの方法を解説しましょう。
飼い主さんの反応を変える
お散歩中にワンちゃんが飛びついてきたとき、飼い主さんはどのような反応をしていますか?
興奮したワンちゃんに対して、大きな声で叱ったり手で押し返したりすると、逆に遊びと勘違いして更に興奮しやすくなります。
有効な方法は、ワンちゃんに対して背を向けることです。
完全に無視し、目も合わせず、ワンちゃんの体にも触れないようにしてください。
興奮している相手に対して背を向ける行為は、カーミングシグナルで「落ち着いて」というサインになります。
ワンちゃんが四つ足で床に着地し、落ち着いたら興奮させないように褒めましょう。
この一貫した対応を続けることで、飛びつく行為が報酬につながらないことをワンちゃんが理解し、徐々に行動を改善させられますよ。
ルールを教える
基本的な服従訓練を通じて、「おすわり」や「まて」などのコマンドを教えることは効果的です。
ワンちゃんが飛びつきそうになったときに「おすわり」や「まて」の指示を出して、従ったときには褒め言葉やおやつを与えて飛びつかないことを強化しましょう。
飛びつく代わりに落ち着いた行動を取ることで、よいことがあるとワンちゃんは学びます。
日常的に「おすわり」や「まて」などのコマンドを練習し、さまざまな状況で使えるようにすると、飛びつく行動の予防ができるとともに、より良いコミュニケーションを築くことができるでしょう。
リードの持ち方を変える
リードの持ち方を工夫することも対処法のひとつです。
ワンちゃんが飛びつこうとしたら、リードを短かめに持ち動きを制限します。
同時に「おすわり」などの指示を出して、従ったときはすぐに褒めましょう。
またワンちゃんが落ち着いて歩いているときは、リードを緩めて自由に歩かせてよい行動を強化します。
飛びつかずに歩くことが報酬につながるとワンちゃんが学習していけば、徐々に落ち着いたお散歩ができるようになりますよ。
体力を発散させる
十分な運動は犬の過剰なエネルギーを発散させ、飛びつき行動を減らすのに効果的です。
毎日のお散歩時間を増やしたり、ボール遊びやフリスビーなどのアクティビティな運動を取り入れたりして、ワンちゃんに身体的・精神的な刺激を与えます。
また、ノーズワークやパズルトイなどの知育玩具を使って、頭を使う遊びを取り入れるのもよいでしょう。
適度に疲れたワンちゃんは落ち着いた行動を取りやすくなり、飛びつくなどの問題行動が減少していきますよ。
注意をそらす
ワンちゃんが飛びつく瞬間に、道具を使用したりコマンドを出したりして注意をそらすというテクニックも有効です。
具体的にはおもちゃを投げたり「おすわり」などの指示を出したりして、ワンちゃんの注意を別の行動に向けてみてください。
また、飼い主さんが家に帰ってきたときなど犬の興奮が高まる場面では、あらかじめおもちゃを準備しておき、対面した瞬間に出すのも有効です。
飛びつく行動の代わりとなる行動を教え続けることで、徐々に飛びつく行為は改善していくでしょう。
飛びつく状況別の改善方法4選


ワンちゃんが飛びつく理由がそれぞれ違うため、状況によって対応を変える必要がありますよ。
よくある状況ごとに詳しく解説しますので、参考にしてくださいね。
顔に飛びつくとき
犬が顔に飛びついてくる理由は、主に愛情表現や信頼の表れです。
子犬が母犬の口元を舐めて挨拶するように、飼い主さんの顔に近づこうとします。
また、興奮や喜びの表現、食べ物のおねだりの場合もあるでしょう。
この行動は飼い主さんとの絆を深めたい、コミュニケーションを取りたいという犬の欲求から生じています。
顔に飛びつくときは、対処法で紹介した「飼い主さんの反応を変える」の内容を行います。
具体的にはそっぽを向いて立ち上がりその場を離れ、ワンちゃんに対して注目や反応しないようにします。
ワンちゃんが落ち着いたら撫でて愛情表現し、落ち着いている状態を強化しましょう。
顔に飛びつくのは愛情表現ですので、ワンちゃんからの愛情表現に応えることも忘れないでくださいね。
他人に飛びつくとき
犬が他人に飛びつく行為は、主に興奮や喜びの表現、注目を集めたい欲求、または社会化不足が原因です。
初めて会う人との出会いによる興奮や挨拶をしたい、という気持ちの表れでもあるでしょう。
他人に飛びつくときは、対処法で紹介した「ルールを教える」の内容を行います。
「おすわり」や「まて」などの基本的なコマンドを使用し、ワンちゃんの興奮を抑えます。
コマンドに従った場合は褒めて良い行動を強化し、飛びつく代わりに座って待つなど望ましい行動を教えましょう。
また、飼い主さんが「OK」のサインを出したときのみ、人に近づくことを許可するルールを設けます。
ワンちゃんが混乱しないよう一貫性を持って対応し、TPOに関わらず同じルールを適用することが大切です。
足にまとわりつくとき
犬が足にまとわりつく行為は、注目を求めていたり不安や恐れを感じていたりする可能性があります。
飼い主さんとの接触や遊びたい気持ちの表れでもあるでしょう。
足にまとわりつくときは、ワンちゃんの行動の理由によって対処法を変えます。
注目を求めているときの対応は、顔に飛びつくときと同様で「飼い主さんの反応を変える」で解説した内容を実践します。
興奮しているときには目を合わせない・声をかけない等の対応で注目を与えず、落ち着いたら撫でたり声をかけたりしてください。
不安や恐れを感じている場合は、ワンちゃんの苦手なものを取り除いてあげたり、好きなおもちゃを出したり、安心できる環境を整えてあげましょう。
ワンちゃんの行動する理由をよく観察して、適切な対処法を探してみてくださいね。
飛びつき足に噛んでくるとき
犬が飛びつき足に噛んでくる行為は、主に興奮や遊びたい気持ちの表れで、特に子犬や若い犬に多く見られます。
注目を引きたかったり運動不足でストレスを感じていたり、過去にこの行動で飼い主さんの反応を得た経験がある場合もあります。
お散歩中の場合、リードの引っ張りや歩くペースへの不満から生じているかもしれません。
ワンちゃんが飛びつき足に噛んでくるときは、「飼い主さんの反応を変える」「体力を発散させる」「注意をそらす」で解説したそれぞれの内容を行っていきます。
ポイントは以下のとおりです。
- 叱るなどワンちゃんに注目しない
- ワンちゃんが落ち着いたところでお散歩を始める
- 体力を発散させることをお散歩中に意識する
- おやつやおもちゃを使って注意をそらす
体力を発散させるコツは少し長めの距離を歩いたり、いつもより早歩きで歩いたりするとよいでしょう。
いつもと違う道を通って、精神的な刺激を与えるのも効果的ですよ。
飛びつく犬にやってはいけない飼い主さんのNG行動


犬の飛びつきに対して対処法を実施する際、飼い主さんがやってはいけない行動があります。
今までにも「注目しない」「反応しない」というアドバイスをしてきました。
ここでは具体的に注目や反応とはどんなものがあるのか、4つの場面に分けて解説しますね。
近寄る、目を合わせる
ワンちゃんが飛びついてきたときに、近寄ったり目を合わせたりすることはしてはいけません。
犬にとって注目や関心を示すシグナルとなり、飛びつく行為を強化してしまうからです。
ワンちゃんは飼い主さんの反応を敏感に察知するため、近づいたり目を合わせたりすることで、飛びつく行為にポジティブな印象をもってしまうでしょう。
ワンちゃんが落ち着くまで近寄らず目を合わせず、冷静に対応することが重要です。
撫でる、声をかける
飛びついてきたワンちゃんを撫でたり、声をかけたりすることもNGです。
褒美や肯定的な行動として強化される可能性が高く、結果的に飛びつく行為を助長してしまいます。
たとえ叱る意図で声をかけたとしてもワンちゃんは単に注目されていると認識し、飛びつく行動を繰り返す原因となりやすいため行わないでくださいね。
おやつやおもちゃを与える
飛びついてきたワンちゃんにおやつやおもちゃを与えることは、特に避けなければなりません。
飛びつく行為に対して直接的な報酬を与えることになり、飛びついて要求することを学んでしまうからです。
結果として、注目や報酬を得るために飛びつく癖がつきやすくなります。
おやつやおもちゃを与えるタイミングは、次の2点のときにしてくださいね。
- ワンちゃんが落ち着いて四足で立っているとき
- ワンちゃんが飛びつく前に気をそらそうとするとき
要求に応えてサークルやハウスのドアを開ける
サークルやハウス内にワンちゃんがいるときに、飛びついてアピールしてきても、すぐにサークルやハウスのドアを開けることはやめましょう。
ワンちゃんの要求を即座に満たすことになり、飛びつくことで望むものが得られると学習させてしまいます。
飛びつく行為をワンちゃんは効果的なコミュニケーション手段として認識し、飛びつく行動を繰り返すようになるでしょう。
落ち着いて待てるようになってから、ドアを開けるなどの対応をすることが重要です。
普段から飛びつく行為をさせないように接してくださいね。
お散歩のときだけ飛びつくことをやめさせる、ということはできませんよ。
対処法を試しても直らないときはどうする?


ここまで紹介した対処法を試したり、注目や反応を与えないようにしたりしても、飛びつきが改善されないこともあるかと思います。
犬は人間と同じように個体差があるため、全ての犬に当てはまる対処法はありません。
そんなときは思い悩まず、ペットシッターやドッグトレーナーなどプロに相談しましょう。
豊富な経験と知識で、きっと飼い主さんとワンちゃんの力になってくれますよ。
犬に飛びつく行為をやめさせて楽しくお散歩しよう!
この記事では、犬の飛びつく行動の理由や起こるリスク、対処法について解説しました。
お散歩中にワンちゃんが飛びつく理由は、次の4つありました。
喜びの感情表現
- 飼い主さんや他の人、動物に対して喜びや興味を示している
欲求を満たすため
- 「動くものを噛みたい」といった欲求がある
学習したため
- 飛びつくことによって好ましいことが起こると学習した
自己防衛のため
- 不安や恐怖心から威嚇や自己主張をしている
飛びつく行為は感情表現だったり要求を訴えていたり、自分を守るためにしていたりします。
理由によって対応が異なりますので、まずはあなたのワンちゃんがどんな理由で飛びつくのか理解しましょう。
ワンちゃんが飛びつくことで起こるリスクには、以下の2つあります。
- 身体的な負担をかける
- 周囲に危険を及ぼす可能性がある
ワンちゃん自身が負傷したり、人やほかの犬にケガや恐怖心を与えたりすることがありますので、しっかり飛びつかないようにトレーニングしてくださいね。
犬が飛びつくのをやめさせるための対処法には、次の5つについて解説しました。
飼い主さんの反応を変える
- 完全に無視し、目も合わせず、体も触れないようにする
- 犬が落ち着いたら褒める
ルール(おすわり、まて)を教える
- 犬が飛びついてくる前に「おすわり」や「まて」の指示を出す
- 従ったときはおやつや褒め言葉で報酬を与える
リードの持ち方を変える
- 犬が飛びつこうとしたら、リードを短かめに持ち、犬の動きを制限する
- 犬が落ち着いて歩いているときは、リードを緩めて自由に歩かせてよい行動を強化する
体力を発散させる
- お散歩時間を増やす
- ボール遊びやフリスビーなどのアクティビティな運動を取り入れる
- 知育玩具を使って、頭を使う遊びを取り入れる
注意をそらす(自己防衛の場合)
- おもちゃを投げて気をそらす
- 「おすわり」などの指示を出して、犬の注意を別の行動に向けさせる
ワンちゃんに飛びつく行為をやめさせるには、日頃からの接し方が重要です。
すぐには改善しないかと思いますが、対処法を地道に続けることで改善していきますよ。
飛びつく状況別の改善方法は、4つのケースについてアドバイスしました。
顔に飛びつくとき
- ワンちゃんに注目や反応しない
- ワンちゃんが落ち着いたら、撫でて愛情を伝える
他人に飛びつくとき
- 「おすわり」や「まて」などコマンドを使用して、ワンちゃんの興奮を抑える
- コマンドに従ったら褒める
足にまとわりつくとき
- ワンちゃんに注目や反応しない
- ワンちゃんが落ち着いたら褒める
- 不安や恐れを感じている場合は、安心できる環境を整える
飛びつき足に噛んでくるとき
- 叱るなどワンちゃんに注目しない
- ワンちゃんが落ち着いたところでお散歩を始める
- 体力を発散させることをお散歩中に意識する
- おやつやおもちゃを使って注意をそらす
飛びつくワンちゃんには反応しないで無視し、落ち着くなど望ましい行動をしたら褒めましょう。
飛びつく犬にやってはいけない飼い主さんのNG行動は、以下の4つありました。
- 犬が飛びついてきたときに、近寄る・目を合わせる
- 撫でる、声をかける
- おもちゃ、おやつを与える
- 要求に応えてサークルやハウスのドアを開ける
ワンちゃんが「飛びつくとよいことがある」と学習し、飛びつく行為を増加させてしまいますので気を付けてくださいね。
イライラして叱りたくなるときもあるかもしれませんが、焦らずゆっくり取り組んでみてくださいね。
今回紹介した対処法を試しても直らない場合は、思い切ってプロに相談するのも一つの手です。
あなたのワンちゃんの個性を考慮しつつ環境に合わせた適切な対応が、飛びつく行動の改善につながるでしょう。
ワンちゃんの体に負担をかけず、安心してお散歩を楽しめるようになることを願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。