
お散歩に出るとうちの子は、私の後ろについてくるんです。
お散歩が嫌なのでしょうか?



お散歩といえば、元気に歩くイメージがありますよね。
そのときのワンちゃんは、どんな歩き方をしていましたか?
ワンちゃんが後ろを歩くといっても、頭を上げて胸を張って歩いているのか、頭を下げて辛そうに歩いているのかで、ワンちゃんの気持ちは変わってきます。
この記事では犬がお散歩中に後ろや前を歩くときの気持ちやその対処方法、飼い主さんもワンちゃんも快適なお散歩にするためのトレーニング方法について解説します。
ワンちゃんと楽しいお散歩をしたいとお考えの飼い主さんは、ぜひ最後までお読みください。
この記事を読むとわかること
- 犬が飼い主さんの後ろを歩くときの気持ち
- 犬が飼い主さんの前を歩くときの気持ち
- お散歩の基本「リーダーウォーク」について
- 犬が歩く位置で困ったときの対処方法
- 楽しいお散歩習慣のつくり方
犬が飼い主さんの後ろを歩くときの気持ち


お散歩中に自分の後ろを犬がついてくるように歩いているとき、ワンちゃんを観察してみましょう。
ワンちゃんの気持ちが見えてきますよ。
甘えたい遊びたい
ワンちゃんがしっぽを振りながら、飼い主さんの足にまとわりつくように後ろを歩いているときは、遊びたい気持ちの表れや飼い主さんに甘えている可能性があります。
飼い主さんが「遊び」と「お散歩」の違いを意識的につけるとよいでしょう。
あとで解説する「リーダーウォーク」を練習して、お散歩のルールをワンちゃんに教えてあげてください。
安心している
ワンちゃんが飼い主さんの後ろをスタスタと歩調を合わせて歩いてる場合、飼い主さんを信頼している証拠です。
犬を含め群れをつくる動物は、基本的にリーダーが先頭を歩き、危険などをいち早く察知して仲間を安全に導きます。
ワンちゃんがあまり自己主張しない控えめな性格なら、「飼い主さんの後をついていけば安心。」と感じているのでしょう。
外の世界の匂いや音に恐怖を感じている
飼い主さんの後ろでワンちゃんが尻尾や顔を下げて一歩も足が出ないときは、慣れない外の世界の匂いや音に恐怖を感じている可能性があります。
玄関先で外のにおいや音に触れさせたり、ワンちゃんを抱いて近所を歩いたりして、外の世界に慣れさせてあげましょう。
体調が悪い
飼い主さんから少し距離をあけ、重い足取りで後ろを歩いているときは、体調が悪いサインかもしれません。
足が痛い、暑さに疲弊している、体力が消耗しているなど、言葉にできない犬たちの意思表示です。
すぐに散歩をやめ、病院受診を検討しましょう。
犬が飼い主さんの前を歩くときの気持ち


反対にお散歩し始めたら、飼い主さんの前をぐいぐいと歩くときもあります。
このときのワンちゃんの気持ちも知っておくことで、トレーニングがしやすくなりますので理解しておいてくださいね。
好奇心旺盛
外に出るとに音やにおい、人の気配など多くの情報が犬に入ってきます。
刺激につられて探求するために、ぐいぐい前に進んでいくことがあります。
引っ張り癖をつけてしまうので、気持ちを落ち着かせてあげましょう。
抵抗している
飼い主さんがリードを引っ張っていると、犬はその力に反発して逆方向に力を入れます。
結果的に犬が前傾姿勢になり、ぐいぐい前に引っ張っることにつながってしまいます。
飼い主さんが歩きだす前に定位置につくようにワンちゃんをしつけて、同じ歩幅で歩くように意識させましょう。
リードが長い
リードが長すぎると、飼い主さんとの適切な距離感を犬が理解しにくくなります。
お散歩は犬にとって刺激の多い時間ですので、リードが必要以上に長いと犬が行きたい方へ勝手に行ってしまい興奮を助長させやすいです。
飼い主さんとの適切な距離を保てるようなリードを選びましょう。
お散歩の基本リーダーウォークのしつけ方


飼い主さんもワンちゃんも快適なお散歩にするために、「リーダーウォーク」を覚えてもらいましょう。
リーダーウォークをすることで、車や周囲の人の動きへの対処や犬の突発的な行動にも対応がしやすくなります。
トレーニングのポイントを解説しますので、ぜひチャレンジしてみてください。
ワンちゃんとのコミュニケーションも取りやすくなりますよ。
いきなり屋外で始めるのではなく、集中しやすい室内でハーネスとリードに慣れさせるところから始めましょう。
装具の準備
犬の大きさに合わせた、ハーネス(胴輪)とリード(引き綱)を装着します。
ハーネスはキツイとワンちゃんが苦しい思いさせますし、緩いとワンちゃんが後退りしたときに抜けてしまいます。
必ずハーネスとワンちゃんの身体の隙間に、指1~2本が入れられる程度に微調整してくださいね。
人の左側につくようにする
「おいで」など声をかけながら優しくリードで誘導して、飼い主さんの左側に犬を呼び寄せて褒め言葉とおやつをあげます。
数メートル移動して、再度左側に犬を呼び寄せて褒め言葉とおやつをあげることを繰り返します。
飼い主さんの左側にいると嬉しいことがあると、ワンちゃんに理解してもらいましょう。
実際に歩く
少し慣れてきたら、ゆっくり歩き始めましょう。
犬とアイコンタクトや声かけをしながら、コミュニケーションをとっていきます。
ちゃんと横を歩けているときは、「その調子」「いいよ」など誉め言葉かけ、おやつをあげて強化しましょう。
おやつの回数を減らす
飼い主さんの横を歩く習慣がついてきたら、おやつをあげる回数を減らしていきます。
2回に1回、3回に1回と、徐々におやつをあげるタイミングを減らしていき、おやつが無くても褒め言葉だけで人の左側をワンちゃんが歩くようにします。
おやつをあげる回数を徐々に減らさないと、おやつを持っていないとやらなくなるので、気をつけてください。
室内でトレーニングができたら、屋外で同様のことを行います。
屋外では、非常に多くの刺激がありますので、初めのうちは人通りが少ない時間帯や場所を選びましょう。
犬が歩く位置で困ったときの対処方法


いつもはできても、時にはリーダーウォークがうまくできなくなることもあると思います。
そんなときも焦らず対応できるように、ポイントを解説します。
頭の片隅に入れておいてくださいね。
飼い主さんの後ろを歩く、動かない
飼い主さんの後ろを歩いたり動かなくなったりしたときは、まず「犬が飼い主さんの後ろを歩くときの気持ち」で解説した中のどれが当てはまるか見極めます。
遊びを誘ったり甘えたりするなら、リーダーウォークのトレーニングを再度やり直します。
ワンちゃんが安心した様子で飼い主さんの後をついてくようなら、特に問題ありませんのでそのまま歩きましょう。
何かにワンちゃんが怯えている様子の場合は、自発的に歩き始めるまで待つか、飼い主さんが歩くペースをコントロールしてあげます。
歩かないからといって、ぐいぐい引っ張ることはやめましょう。
もし犬の体調の悪さを感じたら、お散歩は中止します。
飼い主さんの前を歩く
飼い主さんの膝から前にワンちゃんが出たら、ワンちゃん側に体を向けてUターンをしましょう。
こうすることでワンちゃんを巻き込む形となり、前に出られない状態になります。
なかなか距離が進まないこともありますが、飼い主さんより前に出たら進めない感覚を覚えさせましょう。
楽しいお散歩習慣のつくり方


犬にとってお散歩は、健康維持や社会を学ぶためにとても重要です。
屋外での刺激を通して、ワンちゃん自身が興奮や警戒心をコントロールできるようになります。
犬同士のコミュニケーションから、犬ならではの仲間意識を学ぶこともできます。
また、飼い主さん以外の人間社会を学び、病院での診療やトリミングなどのために、人に慣れる大切な機会です。
犬が楽しく刺激を受けて成長していけるように、次のポイントを心がけましょう。
・毎日のお散歩時間は固定しない
・お散歩コースは固定しない
・飼い主さんとワンちゃん、家族以外の人、ほかの犬とのコミュニケーションを大切にする
・飼い主さんもお散歩を楽しむ
時間は固定すると、お散歩がストレスになってしまいやすいので、「行けるときに行く」くらいの気持ちでいる方がよいです。
コースはいろいろあると、いろんな刺激を得られるのでおすすめです。
ただしお散歩時間もお散歩コースもある程度固定すると、よく会う人や犬と顔見知りになり、お友達ができやすいという利点もあります。
お友達ができれば飼い主さんもワンちゃんも、より楽しいお散歩になりますよ。
犬の気持ちを知って楽しいお散歩をしよう
この記事では犬がお散歩で飼い主さんの後ろを歩くときや前を歩くときの気持ち、お散歩の基本「リーダーウォーク」について解説しました。
ワンちゃんが安心して快適なお散歩ができるよう、あらためて内容を振り返りましょう。
- 甘えたい遊びたい:しっぽを振りながら、飼い主さんの足にまとわりつくように歩く
- 安心している:飼い主さんの後ろをスタスタと歩調を合わせて歩いてる
- 外の世界への恐怖:飼い主さんの後ろに隠れ、尻尾や顔を下げて一歩も足が出ない
- 体調が悪い:飼い主さんから少し距離をあけ、重い足取りで後ろを歩いている
ワンちゃんが後ろを歩くときは、よく観察し、その理由を見極めてあげましょう。
- 好奇心旺盛:外の刺激につられ興味で探求している
- 抵抗している:飼い主さんのリードを引っ張る力に反発している
- リードが長い:飼い主さんとの適切な距離感がわかっていない
お散歩に積極的な姿勢のときは注意するのではなく、まずは落ち着かせましょう。
飼い主さんも、ワンちゃんも快適な散歩の基本は「リーダーウォーク」です。
ポイントを押さえて、実践してみてくださいね。
- 装具の準備:ワンちゃんに合ったハーネス(胴輪)とリードの装着
- 人の左側につくようにする:飼い主さんの左側にいると嬉しいことがあると覚えさせる
- 実際に歩く:褒めながら、飼い主さんの左側をついて歩くように練習する
- おやつの回数を減らす:リーダーウォークができるようになったら、おやつを徐々に減らす
室内でトレーニングができたら、屋外でもできるようにします。
屋外では非常に多くの刺激があるためワンちゃんが集中しにくいので、初めはなるべく人通りが少ない時間帯や場所を選びましょう。
- 飼い主さんの後ろを歩く、動かない:ワンちゃんの気持ちや状態を見極めてそれぞれに合った対処する
- 飼い主さんの前を歩く:ワンちゃん側に体を向けてUターンする
困ったときこそワンちゃんとのコミュニケーションをとり、落ち着いて対処してくださいね。
・毎日の時間は固定しない
・散歩ルートは固定しない
・飼い主さんと犬、家族以外の人、ほかの犬とのコミュニケーションを大切に
・飼い主さんも散歩を楽しむ
「こうするべき」と考えすぎないで、ワンちゃんとのお散歩を気楽に楽みましょう。
ワンちゃんがお散歩中に後ろを歩く理由はさまざまです。
記事を参考にワンちゃんの気持ちを理解して、適切な対応をしてあげてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。