うちの子、お散歩へ行くと落ち着かなくなって大変なんだけど、落ち着かせる方法が知りたい。
お散歩に行くとうちの子は、すれ違う人やお友達のワンちゃんに吠えちゃうのよね。「ダメ」以外の言葉で、やめさせる言葉はないかな?
ワンちゃんとお散歩に行こうとすると、急にそわそわし始めたりすれ違う人に吠えたりして、落ち着いてお散歩に行けないとお困りの飼い主さんは多いのではないでしょうか?
お散歩中にワンちゃんが落ち着かなくなったり興奮したりするのには、理由があります。
ワンちゃんを落ち着かせてお散歩に行くようにしないと、いつまでたっても興奮したままの状態なので、ワンちゃんも飼い主さんもストレスが溜まってしまいます。
さらにワンちゃんと飼い主さんとの関係にも悪影響が出ることもあるでしょう。
この記事では、ワンちゃんがお散歩中に落ち着かなくなる理由と、ワンちゃんを落ち着かせる5つの方法と3つのテクニックをわかりやすく解説します。
またワンちゃんが落ち着かないことで起こる危険性についても、ご紹介しています。
ワンちゃんと落ち着いてお散歩に行きたい飼い主さんは、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を読むとわかること
- 犬がお散歩中に落ち着きがなくなる理由
- 犬がお散歩中に落ち着かないことによる危険性とは?
- 犬を落ち着かせる5つの方法
- お散歩中の興奮や吠えにも役立つ3つのテクニック
犬がお散歩中に落ち着きがなくなるのはなぜ?
ワンちゃんがお散歩中に落ち着きがなくなる理由は、次の3つが考えられます。
- 不安要素があるから
- 過去の恐怖体験を思い出したから
- 興奮と期待から
ネガティブな感情のときと、ポジティブな感情のときのどちらも行き過ぎると、落ち着きがなくなるものです。
それぞれの理由を理解することで、適切な対処法が見えてきますよ。
不安要素があるから
ワンちゃんにとって、お散歩中にはさまざまな不安要素が潜んでいます。
次のような状況のとき、不安を感じやすいです。
- しつこさや予測不能な動きをするので子どもが苦手
- 見知らぬ人や他の犬が怖い
- 車やバイクが怖い
不安のとき犬は落ち着かなくなると同時に、以下のような反応を示します。
- 飼い主さんに寄り添い、不安げな表情をしている
- 耳を伏せて、尻尾を後ろ足の間に巻き込んでいる
- 毛を逆立てる
- 挑発的な行動をする
不安や恐怖をワンちゃんは感じていますので、対処してあげましょう。
登下校や出勤帰宅時間帯や、他の犬がよくお散歩している時間帯を避けてお散歩へ出かけるとよいですね。
またお散歩コースは、交通量の少ない裏道や広い歩道のある道路を選ぶと、ストレスを減らせられますよ。
過去の恐怖体験を思い出したから
過去の恐怖体験が、現在の行動に大きく影響することがあります。
シッティングご利用のお客様のワンちゃんでは以下のような経験をしてから、現場に近づくと落ち着かなくなったり、その場から離れようとしたりするそうです。
- 動物病院で痛い思いをしたことがある
- 工事現場の騒音やシャッターを下ろす音など、大きな音に驚いたことがある
- 踏切に足を引っかけたことがある
ワンちゃんがストレスを感じているときには、以下の行動をします。
ワンちゃんが行っていないか注視してあげてくださいね。
- 口の周りや鼻を舐める
- 後ろ足で体を掻く
- あくびをする
- しっぽを振る、立てる
- 噛む素振りをする
もし恐怖体験をした場所に慣れさせたいときは、焦らずゆっくりと慣れさせるようにしてくださいね。
ワンちゃんの様子をよく確認し、焦らないことが慣れる早道です。
同じ場所で座り込んでしまい、どうしても通れないときは、お散歩コースを変えてみるのも一つの手段です。
興奮と期待から
お散歩中に興奮と期待から、落ち着きがなくなることもあります。
- 大好きなお友だちに会った
- いつも撫でてくれる人に会った
嬉しい気持ちから興奮や期待をして落ち着かなくなるときは、次の行動をします。
- 尻尾を大きく上げて振る
- 「ワンワン」と嬉しそうに吠える
- プレイバウする(前足を下してお尻を上げる)
- 目がきらきら輝く
- 口角が上がっている
- しっぽを高く上げてお尻ごと振る
- 体をくねらす
- お腹を見せる
- 飛びつく
ポジティブな感情のときは、さらにテンションが上がり落ち着かせることがますます困難になりやすいです。
「まて」や「おすわり」の指示を出して、一旦落ち着かせましょう。
自分がじっとしないと次の行動に移れないことを、ワンちゃんに理解させるとよいですよ。
犬がお散歩中に落ち着きがないことによる危険性とは?
ワンちゃんが落ち着かないと、どんな危険があるのでしょうか?
落ち着きがないことで、被害者になることもありますし、加害者になってしまうこともあります。
どのような危険があるのか見てみましょう。
人に飛びついて怪我をさせてしまう
興奮して人に飛びつくと、怪我をさせてしまう危険があります。
大型犬の場合、体も大きく力が強いため、大人でも押し倒してしまいます。
また、小型犬でも小さなお子さんや高齢者にとっては、力で負けてしまい怪我させてしまうこともあるでしょう。
犬自身が怪我や事故にあう
お散歩中に興奮して、ワンちゃん自身が怪我や事故にあってしまうことがあります。
落ち着きがない状態はワンちゃんの視野が狭くなっているため、冷静な判断ができず事故に遭いやすくなります。
例えばワンちゃんが興奮して我先にとばかりに飼い主さんを引っ張ってお散歩しているときに、交差点で車や自転車とぶつかる、ということはよく聞く話です。
他の犬を興奮させ、犬同士の喧嘩へ発展してしまう
興奮した他の犬に影響を受けて、ワンちゃんが興奮してしまうことがあります。
逆にワンちゃんが興奮していて、他の犬に影響を与える場合もあります。
感情は伝染するものだからです。
特に他の犬に飛びついてしまうと、犬同士の喧嘩に発展しまう可能性がありますので気をつけてくださいね。
お散歩中に犬を落ち着かせる5つの方法
お散歩中に興奮してしまったワンちゃんを落ち着かせるには、どうしたらいいのでしょうか?
次の5つの方法で落ち着かせられますよ。
- お散歩に行く前にトレーニングをする
- 犬が落ち着くのを待つ
- 散歩に行く時間を毎日変える
- 飼い主さんが原因を作らない
- 犬のストレスを溜めない
1つずつ対処法を詳しく見ていきましょう。
お散歩に行く前にトレーニングをする
お散歩に行く前から落ち着きがないと、出かけたときにはさらに落ち着きがなくなってしまいます。
お散歩に行けるとわかると落ち着きがなくなるワンちゃんの場合、お散歩に行く前に「おすわり」「まて」などのしつけを徹底的に行い、落ち着かせてから出かけるようにしましょう。
次の場面でもワンちゃんが落ち着かなくなりやすいので、落ち着くようにしつけてください。
- 首輪やハーネスをつけるとき
- 玄関からへ出るとき
- マンションの場合、抱いて外へ出て下したとき
落ち着かせる手順は次の通りです。
- お散歩グッツを見せても、静かに待てるように「おすわり」と「まて」をさせる
- 「おすわり」と「まて」の状態で、首輪やハーネスをつける
- ゆっくり歩きながら玄関へ向かい、ドアの手前で「おすわり」と「まて」をさせる
- 飼い主さんが安全確認をして先に出て、「よし」と声をかけてワンちゃんを外に出す
マンションにお住まいで抱いて外に出て地面に下した途端に、鉄砲玉のように走り出すワンちゃんがいます。
このとき飼い主さんは動かないで、ワンちゃんが落ち着くのを待ちましょう。
また手順を行っているときにワンちゃんが落ち着かない場合は、作業を中断して無言でその場を離れます。
ワンちゃんが落ち着いたら、作業を再開しましょう。
「興奮して騒ぐと飼い主さんはお散歩の準備をやめてしまう」「静かにしていると準備をしてくれる」とワンちゃんに理解してもらうためです。
初めのうちは今までの習慣から、なかなか落ち着いてくれないと思います。
中断してばかりで先に進めず、面倒くさいと感じるかもしれません。
しかし根気よくワンちゃんと向き合って時間をかけることが、落ち着くようになるための早道になります。
犬が落ち着くのを待つ
ワンちゃんが興奮して落ち着かないときは、むやみに引っ張ったり叱ったりすると、さらに興奮させて逆効果になるので、しないでくださいね。
例えばワンちゃんが他の犬を見て興奮し、立ち上がったり吠えたてたりしても、飼い主さんはその場にとどまりワンちゃんが落ち着くのを待ちます。
興奮が落ち着いたら歩き出し、また興奮してしまったら止まり、落ち着くのを待つというのを繰り返します。
何度か繰り返すと、ワンちゃんは自分が落ち着いたら動けるようになると理解してくれますよ。
お散歩に行く時間を毎日変える
ワンちゃんにも体内時計があり、お散歩好きなワンちゃんはお散歩の時間が近づくとソワソワしだすものです。
お散歩に行きたくてリードを咥えてきたり、飼い主さんを誘いにきたりして、「うちの子は賢いな」なんて思いますよね。
しかしワンちゃんにせがまれてお散歩へ出かけると、楽しみのお散歩に行けたという興奮状態のまま、お散歩することになります。
落ち着きがない状態では、「まて」や「おすわり」などの指示に従わなかったり、他の人や犬に飛びついたりしてしまいやすいです。
ワンちゃんが落ち着いた状態でお散歩へ出かけられるように、時間はランダムにしましょう。
曜日によって変えたり、飼い主さんの事情を考慮したりして、無理のない範囲でお散歩の時間を変えるとよいですよ。
飼い主さんが原因を作らない
ワンちゃんがが落ち着きがなくなると、飼い主さんもつられてつい焦ってしまいがちです。
まずは飼い主さんが深呼吸をして、落ち着きましょう。
過剰な反応をせずにワンちゃんが落ち着くのを待ち、落ち着いてきたら興奮させないようにゆっくり優しく褒めてあげてください。
感情は伝わるため、飼い主さんが常に冷静でいることが重要です。
ワンちゃんからの悪い影響は遮断し、飼い主さんがワンちゃんに良い影響を与えましょう
犬のストレスを溜めない
犬はちょっとした変化でストレスを溜めてしまい、落ち着かない原因になりやすいです。
ワンちゃんを落ち着かせるために、次にあげたような環境の変化や、ワンちゃんが不満を感じていないか見直すことも必要でしょう。
- 引っ越しをした、家族が増えたなどの環境の変化
- お散歩の時間が短いなどの運動不足
- 普段から飼い主さんに構ってもらえないなどのコミュニケーション不足
飼い主さんにとっては何でもないことでも、ワンちゃんにとっては大きなストレスになることがあります。
犬はストレスが溜まると多くの問題行動を起こしやすくなり、ゆくゆくは飼い主さんを悩ませることになる可能性があります。
ワンちゃんのストレスを溜めないためには、おもちゃを使って遊んだりワンちゃんにとって快適な空間を確保したりしてあげましょう。
しつけもワンちゃんとの絆を深めるために有効ですよ。
お散歩中の興奮や吠えに対処できる声かけテクニック3選
お散歩中にワンちゃんが、人や他の犬に興奮したり警戒したりすると、飼い主さんは、どうしようと戸惑ってしまったり、恥ずかしくなって立ち去りたい気持ちになってしまいますよね。
そんなときに試していただきたいのが、声かけテクニックです。
3つご紹介しますので、試してみてくださいね。
先回りして相手に挨拶する
もしすれ違う人に対してワンちゃんが警戒した態度をするなら、先回りして相手に挨拶してみましょう。
犬は周りをよく観察しています。
飼い主さんが好意的に挨拶することで、ワンちゃんは「この人は安全なんだ」と理解し、警戒心が緩みます。
次のポイントを意識して行ってみてください。
- 相手が見えてきた時点ですぐに挨拶する
- ワンちゃんが反応する前に挨拶する
- 笑顔で明るい声で挨拶する
無理に相手と会話する必要はなく、挨拶するだけで問題ありません。
継続することで、ワンちゃんの他の人に対しての警戒心もなくなっていきますよ。
ワンちゃんに「ひと言」声をかける
大好きな飼い主さんの言うことを理解したくて、ワンちゃんは言葉を一生懸命に聞いています。
研究結果では犬が覚えられる人間の言葉数は、1000語ほどといわれています。
しかし複雑な言葉は分かりません。
「まて」「おすわり」「おいで」といったしつけのときに使用するコマンドや「おしまい」「行こう」など、短いひと言が犬には伝わりやすいです。
「ダメ」は具体的ではないので適していません。
ワンちゃんにどうしてほしいかを言いましょう。
声かけのポイントは、次の通りです。
- 明るく優しい声で言う
- ゆっくりとはっきりした口調で言う
- 短くはっきりと言う
- 命令口調は避ける
- 言葉は統一する
- 同じ行動には同じ言葉をつかう
静かに待ったり、やり過ごせたりできたら、たくさん褒めてあげましょう。
シッティングでいろんなワンちゃんに会いますが、いつも飼い主さんから声をかけられているワンちゃんは、飼い主さんに集中していて落ち着いた性格の子が多いです。
声をかけられ慣れているワンちゃんは、ある場面で落ち着きがなくなっても、飼い主さんの一言ですぐに落ち着きます。
ワンちゃんとのコミュニケーションも取れますので、していない飼い主さんには普段から声かけすることをおすすめします。
「ワンちゃんの名前」を呼んで、意識を飼い主に向ける
とても簡単な方法なのが、ワンちゃんの名前を呼ぶことです。
お散歩中に興奮したり警戒したりすると、飼い主さんは焦ってしまいますよね。
しかし飼い主さんは、あえて落ち着いた声で「ワンちゃんの名前」を呼ぶことで、ワンちゃんの意識が飼い主さんに向けられ興奮や警戒心が落ち着かせられます。
落ち着いたところで、「まて」や「おすわり」などの指示を出してみましょう。
飼い主さんの指示を聞き入れやすくなり、さらにご褒美のおやつを与えると他人や他の犬に対してポジティブな印象を与えられますよ。
名前を呼ぶときは、次のことに気をつけてくださいね。
- 名前を連呼しない
- 注目したら即座に褒める
- 落ち着いた声のトーンで言う
特に名前の連呼は、余計に興奮させたり警戒心をあおったりしますので注意しましょう。
犬がお散歩中に落ち着きがなくなっても冷静に対処しよう!
今回は、犬がお散歩中に落ち着かなくなったときの理由と対処法について解説しました。
それぞれの項目についてまとめましたので、一緒に振り返ってみましょう。
犬がお散歩中に落ち着かない3つの理由は、次のとおりです。
- 不安要素がある
- 過去に恐怖体験を思い出した
- 興奮と期待から
不安なときや恐怖体験を思い出したときなどネガティブな感情のときには、以下のような行動をワンちゃんはします。
- 飼い主さんに寄り添い、不安げな表情をしている
- 耳を伏せて、尻尾を後ろ足の間に巻き込んでいる
- 毛を逆立てる
- 挑発的な行動をする
- 口の周りや鼻を舐める
- 後ろ足で体を掻く
- あくびをする
- しっぽを振る、立てる
- 噛む素振りをする
不安要素を取り除いたり、飼い主さんがいれば自分は安心していいんだということをワンちゃんが学んだりすると、落ち着いてお散歩できるようになりますよ。
嬉しい楽しいといったポジティブな感情のときワンちゃんは、次のような行動をします。
- 尻尾を大きく上げて振る
- 「ワンワン」と嬉しそうに吠える
- プレイバウする(前足を下してお尻を上げる)
- 目がきらきら輝く
- 口角が上がっている
- しっぽを高く上げてお尻ごと振る
- 体をくねらす
- お腹を見せる
- 飛びつく
さらに興奮させないように、「まて」や「おすわり」などをさせて落ち着かせてくださいね。
犬が落ち着かないことによる危険性について解説しました。
3つの危険性は、次のとおりです。
- 人に飛びついて怪我をさせてしまう
- 犬自身が怪我や事故にあう
- 他の犬を興奮させ、犬同士の喧嘩に発展する
ワンちゃんが落ち着かなくなるのは、嬉しいときやストレスが溜まっているときです。
「落ち着けば散歩に行ける」とワンちゃんが理解するまでトレーニングをしたり、ワンちゃんのストレスの元を取り除いたりしてあげましょう。
お散歩中に落ち着かなくなった犬を落ち着かせる方法について解説しました。
落ち着かせる5つの方法は、次のとおりです。
- お散歩に行く前にトレーニングをする
- 犬が落ち着くのを待つ
- 散歩に行く時間を毎日変える
- 飼い主さんが原因を作らない
- 犬のストレスを溜めない
お散歩中に落ち着かなくなると、つい飼い主さんも焦ってしまいます。
飼い主さんは決して焦らず、ワンちゃんが落ち着くのを待ったり、ワンちゃんに指示を出したりして待つ練習をしましょう。
お散歩中の突然の興奮や吠えにも役立つ、声かけテクニックについて解説しました。
3つのテクニックは、次のとおりです。
- 先回りして相手に挨拶する
- ワンちゃんに「ひと言」声をかける
- 「ワンちゃんの名前」を言って意識を飼い主に向ける
ワンちゃんは、短い言葉なら理解できます。
普段からワンちゃんの名前を呼んで、「まて」「いいこ」などのポジティブな言葉の声かけをしてあげましょう。
飼い主さんを意識するようになり、落ち着きやすくなりますよ。
ワンちゃんがお散歩中に落ち着かなくなっても、飼い主さんは焦らずに対処をして快適にお散歩を楽しみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。