
うちの子は「おいで」と呼ぶと、逃げて行ってしまうのよね……。



「おいで」と呼んでも、無視してなかなか来てくれない。私に問題があるのかな?
呼んでもワンちゃんが来てくれないと、切なくなりますよね。
ワンちゃんに好かれてないんじゃないかと、不安に感じる飼い主さんもいるかもしれませんね。
子犬を呼んでも来てくれず逃げてしまうのは、さまざまな理由があります。
決して飼い主さんだけの問題ではありませんので、安心してくださいね。
理由を理解してコツコツとトレーニングを行うことで、子犬も呼んだら来てくれるようになりますよ。
「おいで」と呼んだら、子犬が喜んできてくれるようにしたいとお考えの飼い主さんは、ぜひ最後までお読みください。
今回の記事でわかること
- 子犬に「おいで」を覚えさせる必要性
- 子犬が「おいで」と言うと逃げる理由
- 「おいで」トレーニングのポイント
- 「おいで」トレーニングの手順
- 「おいで」を覚えるための日常生活での注意点
子犬に「おいで」を覚えさせる必要性


「おいで」とは飼い主さんが呼んだら、どんなときでも戻って来るようにする「呼び戻し」というしつけです。
「おいで」はワンちゃんの安全を守るために、子犬のうちからできるようにしておきたい基本的なしつけのひとつです。
どのようなときに役に立つのか、まずは「おいで」を覚える必要性について説明しますね。
事故や迷子を防ぐ
お散歩中に誤ってリードや首輪が外れ、ワンちゃんが道路に飛び出そうになってヒヤリとしたことはありませんか。
飼い主さんが玄関を出入りするときに、ワンちゃんが外に飛び出してしまうこともあるかもしれません。
本気で走ったら子犬でも人間より速いので、追いかけて捕まえることは難しいでしょう。
実際に玄関から飛び出して車にはねられて亡くなった、という話も聞きます。
万が一のときに「おいで」ができると、事故や迷子から大切なワンちゃんを守れますよ。
他の人や犬とのトラブルを防ぐ
ドッグランや公園で遊んでいるとき、ワンちゃんが楽しさのあまり他の犬や飼い主さんに飛びつきそうになることもありますよね。
飛びついた相手が年配の方や小さなお子さんだと、転倒してケガをさせてしまうかもしれません。
また他の犬と喧嘩になりそうになったときにも、呼び戻しができれば大切なワンちゃんがケガをしないで済みますし、相手の犬にケガを負わせることも防げます。
社会生活のマナーとしても、「おいで」を覚えておくと安心ですよ。
子犬が「おいで」というと逃げる理由


「おいで」と呼んだのに逃げてしまう、というワンちゃんを飼っている飼い主さんも多いのではないのでしょうか。
なにか落ち度があるんじゃないかと、自分を責めてしまう方もいらっしゃいます。
しかし呼んでも子犬が逃げる理由は、子犬自身の問題だったり環境の問題だったりと多岐にわたりますので、あまりご自身を責めないでくださいね。
呼んでも子犬が逃げる主な理由は、次の6つが考えられます。
- 嫌な思い出がある
- 合図が統一されていない
- 他のものに興味が向いている
- 怖がりな性格
- 聞こえていない
- 遊びを誘っている
理由を理解すれば「おいで」を教えるときに役に立ちますので、うちの子はどれに当てはまるか考えながら読み進めてくださいね。
嫌な思い出がある
「おいで」と呼ばれて行ったら嫌なことをされた、という記憶があるからです。
例えば、以下のようなことです。
- 爪切りや歯磨きをされた
- 抱っこされた
- 病院に連れていかれた
- 叱られた
嫌な経験が繰り返されると、またされるかもと警戒し、呼んでも来てくれなくなります。
指示語が統一されていない
呼び戻しの際に「おいで」「来い」「カム」などいろいろな指示語で合図を出している場合は、子犬が混乱している可能性があります。
家族間で、指示語を一つに決めておきましょう。
他のものに興味が向いている
飼い主さんの指示よりも、子犬が自分の興味を優先していることが考えられます。
にぎやかな公園や他の犬がいる場所などは刺激が多く、飼い主さんの指示よりも他ものに興味が引っ張られます。
まずは刺激の少ない場所で、「おいで」の練習をしましょう。
怖がりな性格
子犬の性格もさまざまで、生まれながらに怖がりな性格の子犬もいます。
怖がりな子犬は、新しい環境や刺激に対して不安に感じやすく、逃げるという行動がよく見られます。



「人が近づいたり触ろうとしたときに逃げる」という反応をするワンちゃんは、怖がりの傾向があります。
怖がりな子犬のしつけには時間がかかります。
しかし飼い主さんが愛情をもって接し安心感を与えてあげることで、徐々にできるようになります。
焦らずにワンちゃんのペースにあわせてくださいね。
聞こえていない
後天的または先天的に聴力に問題があり、「おいで」の指示が聞こえていない場合があります。
後天性・・・外傷、強い打撲、中耳炎などの炎症性疾患
先天性・・・音の受容体の発達異常や変性
普段の生活で音に反応している素振りがなければ、病院で診てもらいましょう。
遊びを誘っている
逃げることで、飼い主さんを遊びに誘っている可能性があります。
子犬は追いかけっこで遊ぶのが大好きです。
過去に逃げたら飼い主さんが追いかけてくれた経験があると、また遊んでもらおうと逃げることがありますよ。
「おいで」トレーニングのポイント


「おいで」をワンちゃんに覚えてもらうために、押さえておきたいポイントがあります。
次の6つを意識してトレーニングしてくださいね。
- 静かな室内で行う
- 短い距離から始める
- 指示語を統一する、呼ぶのは一回だけ
- ご褒美を準備する
- 自分から近づかない
- 叱ったり叩いたりしない
ポイントに気をつけてトレーニングすれば、早くワンちゃんが「おいで」を覚えてくれますよ。
静かな室内で行う
最初は子犬が集中できるように、静かな室内でトレーニングを行いましょう。
子犬は好奇心旺盛なので、刺激が多いと他のものに興味が逸れてしまいます。
テレビや音楽も消して、静かな環境ではじめましょう。
短い距離から始める
子犬が不安や恐怖心を感じないよう、短い距離からはじめます。
短い距離で成功体験を増やして自信をつけてあげることが大切です。
成功体験が積めたら、少しずつ距離を延していきます。
段階的にアプローチすることで、子犬もストレスなくトレーニングをすすめられますよ。
指示語を統一する・呼ぶのは1回だけ
指示語はひとつに統一し、指示を出すのは1回だけにしましょう。
バラバラのの指示語を使ったり、「おいで、おいで~」のように何度も指示を出すと、子犬が戸惑ってしまいます。
同じ言葉ではっきりと1回指示を出すと、子犬に指示が伝わりやすいですよ。



明るい声で呼びかけると楽しい印象になり、子犬の反応がよくなります。
もし「おいで」で逃げてしまうような場合は、「カム」など別の言葉にするのがいいでしょう。
ご褒美を準備する
「おいで」と呼ばれたらいいことがある、と子犬に学習してもらうことが大切です。
ワンちゃんが好きなおやつやおもちゃを用意してあげましょう。
特別なおやつを準備することも効果的ですね。
おやつだけでなく、飼い主さんが嬉しそうに褒めてくれることもご褒美になりますよ。



成功したときには思いっきり褒めてあげましょう!
ワンちゃんとの信頼関係も深まります。
自分から近づかない
「おいで」と呼んで走って来るものの、ワンちゃんが途中で止まってしまうことがありますよね。
そのときも自分から迎えに行かないようにしましょう。
飼い主さんから近づいてしまうと、子犬は「行かなくても向こうからくる」と覚えます。
「飼い主さんの足元に行くこと」がゴールだと教えることが大切です。
叱ったり叩いたりしない
トレーニングがうまくできなくても、叱ったり叩いたりするのは絶対にやめましょう。
「おいで」が嫌な思い出として残ってしまい、飼い主さんに対しても恐怖心を抱かせてしまいます。
焦らずに子犬のペースにあわせてトレーニングしてくださいね。
「おいで」トレーニングの手順


実際に「おいで」トレーニングの具体的な手順を説明します。
難しいことはないので、気軽に取り組んでくださいね。
手順は次の5つになります。
- リードをつけ、おやつを手に持ち2~3歩ほど離れた距離をとる
- 名前を呼んでおやつを見せ、注目させる
- はっきりした声で一度だけ指示を出す
- 足元まで来れたら思いっきり褒めておやつをあげる
- 難易度を少しずつ上げる
手順通りに行うことで、スムーズにトレーニングを進められますよ。
手順について、さらに詳しく説明しますね。
室内で行う場合もリードをつけてトレーニングするのがおすすめです。
リードを使用することで子犬の動きをコントロールしやすく、安全にトレーニングが行えます。
失敗して逃げ癖がつくのも防げますよ。
すぐに取り出せるようにおやつを準備して、2~3歩ほど距離をとりましょう。
名前を呼んでおやつを見せ、飼い主さんの方にしっかりと意識を向けさせます。
犬の鼻の高さにおやつを持つと、より興味を引くことができます。
はっきりとした声で、「おいで」と一度だけ声をかけます。
もし途中で止まってしまっても、ぐっと我慢して子犬からやってくるのを待ちましょう。
数秒待っても来ない場合は、改めて指示を出します。
足元まできちんと来たら、しっかりと褒めておやつをあげましょう。
「呼ばれて行ったらいいことがある!」という、いい経験を積み重ねることで成功率が上がっていきます。
①~➃までのステップを繰り返し行い、静かな室内でもできるようになったら、以下の順番で少しずつ難易度を上げていきましょう。
室内でおもちゃに夢中になっているとき
↓
室外の静かな場所
↓
公園など他の犬や人が行きかう場所
少しずつ難易度を上げることで、どんな状況でも呼び戻しができるようになりますよ。
トレーニングは毎日の積み重ねが大切です。
特に子犬は集中力が短いので、5~10分程度を目安に、毎日行うことを意識して取り組んでくださいね。
「おいで」を覚えるための日常生活での注意点


「おいで」のトレーニングを頑張っていても、実は普段の生活がトレーニングを妨げていたなんてことがあります。
日常生活で気を付けたいことは、以下の2つです。
- 犬を追いかけるスタイルの遊びは避ける
- 嫌なことをするときは「おいで」を使わない
犬を追いかけるスタイルの遊びは避ける
犬を追いかけるスタイルの遊びは「逃げ癖」をつけてしまいます。
逃げると飼い主さんが追いかけてくれたという経験があると、子犬は逃げることを楽しい遊びだと思ってしまいます。
追いかけっこで遊ぶ場合は、子犬に追いかけさせる遊び方にしましょう。
嫌なことをするときは「おいで」を使わない
子犬が苦手なことをするときには、「おいで」と呼ばないようにしましょう。
ワンちゃんと一緒に生活をしていると、お世話をするために来て欲しい場面はたくさんありますよね。
お手入れのときに「おいで」と呼ぶことが習慣になっていると、呼ばれたら苦手なことをされると学習し、来てくれなくなります。
お世話と「おいで」を切り離すために、呼んだらまずは「いいこだね!」とたくさん褒めてくださいね。
「おいで」を教えて子犬の安全を守りましょう!
今回の記事では、「おいで」を覚える必要性や呼ぶと逃げてしまう理由、トレーニング法について解説しました。
「おいで」は事故や迷子から子犬を守り、他の人や犬とのトラブルも未然に防げるので、とても大切なしつけです。
子犬を呼んでも逃げてしまう理由は、以下の通りです。
- 嫌な思い出がある
- 合図が統一されていない
- 他のものに興味が行っている
- 怖がりな性格
- 聞こえていない
- 遊びを誘っている
理由を理解しておくことで、対処法が見えてくるため効果的に「おいで」を教えることができますよ。
「おいで」トレーニングを行うときのポイントは、以下の6つです。
- 静かな室内で行う
- 短い距離から始める
- 指示語を統一する、呼ぶのは一回だけ
- ご褒美を準備する
- 自分から近づかない
- 叱ったり叩いたりしない
ポイントを意識して行えば、スムーズに「おいで」をワンちゃんが覚えてくれるでしょう。
「おいで」トレーニングの具体的な手順は、以下の通りです。
- リードをつけ、おやつを手に持ち2~3歩ほど離れた距離をとる
- 名前を呼んでおやつを見せ、注目させる
- はっきりした声で一度だけ指示を出す
- 足元まで来れたら思いっきり褒めておやつをあげる
- 難易度を少しずつ上げる
室内の短い距離から始めて成功体験を増やすことで、ワンちゃんも楽しんで取り組んでくれます。
難易度を上げるときは、以下の順番で行ってください。
室内でおもちゃに夢中になっているとき
↓
室外の静かな場所
↓
公園など他の犬や人が行きかう場所
段階的にアプローチすることで、子犬もストレスなくトレーニングをすすめられますよ。
焦らずにワンちゃんのペースに合わせてあげてくださいね。
「おいで」を覚えるのに日常生活で注意したい点は、以下の2つです。
- 犬を追いかけるスタイルの遊びは避ける
- 嫌なことをするときは「おいで」を使わない
日常生活から気を付ければ、「おいで」を覚えやすくなりますよ。
「おいで」を覚えるには時間がかかります。
今回の記事を参考に、焦らずワンちゃんのペースでしつけてあげてくださいね。
子犬の安全を守るために、どんな状況でも「おいで」ができるように教えてあげましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。