うちの子、まだ子犬だけど「待て」ができなくてさ。教え方が間違っているのかな?
散歩中にうちの子は、他の犬や人に飛びつこうとするのよね。何かあったらと思うと散歩が不安……。
ワンちゃんが「待て」ができないことで、散歩中に通行人に吠えてご迷惑をかけたり、食事の準備中に邪魔されて時間がかかったりなど、日常生活に支障をきたす場面はたくさんありますね。
飼い主さんとワンちゃんが共に快適な生活をするために、「待て」を理解させるしつけは必須です。
「待て」をワンちゃんができるようにすることで意思の疎通がしやすくなり、ワンちゃんとの過ごす時間がさらに楽しい時間になるでしょう。
あなたのワンちゃんも「待て」ができないなら、いくつかのトレーニングを知っておくことよいですよ。
今回は特に子犬が「待て」ができない場合の、簡単なトレーニング方法をご紹介します。
ワンちゃんが「待て」できるようになり、心配することなくお出かけを楽しみ、安心して室内でも飼いたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事で分かること
- 子犬はなぜ「待て」ができないのか
- 「待て」とほかの似た指示との違い
- 「待て」がなぜ苦手なのか
- 「待て」ができるメリット
- 子犬に「待て」を教えるトレーニング
子犬はなぜ「待て」ができないのか
ピョンピョンと跳ねたり、ちょこまかと動き回ったりして、子犬に「待て」を教えるのは難しいですよね。
子犬が「待て」ができない理由は、3つあります。
- 子犬はそもそも落ち着きがない
- 環境が影響している
- エネルギーの発散ができていない
しつけを始める前にできない理由を知って対処すれば、悩むことなく子犬に「待て」をしつけられますよ。
子犬はそもそも落ち着きがない
犬種や個体差にもよりますが、そもそも子犬は落ち着きがありません。
子犬は見るもの、嗅ぐもの、触れるものすべてに対して経験が浅いため、興奮しやすい傾向があります。
子犬も人間の子どもと同じように、ありとあらゆる刺激が新鮮で気持ちが高ぶるのです。
子犬は落ち着きがないものと理解しつつ、根気よくしつけと向き合いましょう。
環境が影響している
環境によって、子犬の落ち着きのなさを助長している場合もあります。
以下の3つのケースが考えられますね。
- 飼い主さんが落ち着きがない
- 小さなお子さんがいる
- 子犬の経験不足
楽しそうな人を見ると、こちらまで楽しくなったり、イライラしている人がそばにいれば嫌な気分になったりしますよね。
人同士で影響しあうように、人と犬の間でも感情は影響しあいます。
飼い主さんが落ち着きがなかったり、小さなお子さんが元気いっぱいで賑やかなご家庭だったりすると、犬も釣られてしまうものです。
また社会化期のいろいろなことを学ぶ時期に、多岐にわたって経験をさせてもらえない環境だと、状況に対して過剰に反応し、落ち着きがない子犬になる傾向があります。
よくあるのがワクチン接種が終わっていないからといって、子犬を一切外に出さないでいた場合ですね。
音や目の前で起こるさまざまな変化に対しての経験が少ないと、落ち着かない性格がエスカレートして問題行動をしやすくなるので、子犬のうちからいろんな経験をさせてあげてくださいね。
ワクチン未接種でお散歩ができないなら、抱っこして連れ出してあげましょう。
エネルギーの発散ができていない
子犬は生命力にあふれ、エネルギーの塊のようなものです。
エネルギーがあり余っていて、さらに落ち着きがなくなっていることもあります。
上手にエネルギー発散ができていないと、子犬は聞く耳を持ってもらえません。
遊ぶときは十分に遊ばせて、エネルギーを発散させてあげましょう。
また構ってあげられないときは、無視したり、ハウスの中で静かに過ごさせたりして、接し方にメリハリをつけると落ち着くことを学ぶため、「待て」のしつけがしやすくなりますよ。
特に落ち着きがない子犬なら、遊ぶ時間は多くつくってあげてくださいね。
「待て」とほかの似た指示との違い
「待て」を教える前に、似ている指示ついて知っておくとよいでしょう。
違いを知っておけば、どのようなときに、どのような指示を出せばよいのかがわかるため、ワンちゃんとのコミュニケーションがスムーズになりますよ。
似ている指示として、次の2つがあります。
- 「おすわり」
- 「休め」
それぞれについて、解説しますね。
「おすわり」とは
犬の「おすわり」を「待て」の意味合いで指示を出している方を、ときどきお見かけします。
しかし本来「おすわり」は、お尻を落として体の動きを止めた状態をさします。
座る姿勢をとることで高ぶる気持ちが鎮められ、落ち着きを取り戻しやすいです。
「待て」がしやすくなるため、「おすわり」は「待て」とセットで使われることが多いですね。
はじめに「おすわり」と指示を出して犬が座ったら、「待て」と指示を出すといった流れになります。
「その場に、その姿勢でしばらくいてね」という指示となり、よく使われています。
「休め」とは
「休め」は長時間飼い主さんの足元で、「そこで静かにしていてね」という指示です。
「待て」は本来次の指示まで、犬に基本的に短時間その時の体勢を維持させるために使います。
意識は飼い主さんに向けたままです。
一方「休め」は、「待て」のように飼い主さんを注視することなく、リラックスした状態でその場にとどまらせるときに使います。
じゃあドッグカフェとか行ったら「休め」なの?
姿勢はさまざまですが「待て」で静止させるのは、最長でも1分が限度といわれています。
ドッグカフェで飼い主さんの近くで、長時間待たせる場合は「休め」になりますね。
「待て」がなぜ苦手なのか
なぜ「待て」が苦手なのでしょう?
数多くの理由はありますが、ここでは犬種や犬の心理について解説します。
- 「待て」が苦手な犬種
- 「待て」が苦手な心理
犬種の特徴や心理を知っておけば、もしあなたのワンちゃんが当てはまった場合、ご自身やワンちゃんを責めることなく焦らず力を抜いてしつけに取り組めますよ。
「待て」が苦手な犬種
一般的には柴犬やコーギー、テリア犬種などになります。
……うちの子、コーギーなんだけど。
苦手な犬種だからこそ、根気よく教えてあげてくださいね。
なぜこれらの犬種は、「待て」が苦手なんでしょうか。
それは犬種に代表される性格に由来します。
次で解説しますね。
「待て」が苦手な心理
好奇心旺盛で我が強い性格やアクティブで活発な性格の犬種は、「待て」が苦手な傾向があります。
本能的に好奇心が強く自制が難しい犬種であれば、何かに耐えるという行動が難しくなるからです。
警察犬や、災害救助犬になれない犬種も、この特徴に該当しますね。
でも大丈夫!どんな犬種であっても地道にトレーニングすれば、「待て」はできるようになりますよ。
「待て」ができるメリット
「待て」ができるようになることで、どんなメリットがあるでしょう。
具体的には、次の2点があります。
- 犬の衝動的な行動を抑制できる
- 犬の精神面を鍛えられる
この2点に関して、詳しく見ていきましょう。
犬の衝動的な行動を抑制できる
「待て」ができると、犬がなんらかの衝動に駆られて突発的な動きをしたときに制止できるため、トラブルや危険を回避できるのです。
以下の状況のときに、「待て」と指示を出すことでワンちゃんを守れますよ。
- 散歩中の拾い食い
- 交差点などでの突然の飛び出し
- 人や他の犬に飛びつきそうになったとき
拾い食いして具合が悪くなったり、自転車にぶつかって怪我したりなど、ワンちゃん自身が受ける苦痛を回避できますし、周りに迷惑をかけずに済みますよ。
「待て」はワンちゃんを守るために、大切な指示なんです。
犬の精神面を鍛えられる
「待て」を教えるときには、どんな状況でもできるようにしておきましょう。
その場に飼い主さんがいる状況はもちろん、ワンちゃんの前から飼い主さんが姿を消したときでも「待て」ができれば、ワンちゃんの精神面を養えます。
飼い主さんとの距離感が問題の分離不安も回避できるでしょう。
飼い主さんがそばにいなくても、「飼い主さんは戻って来るから大丈夫」という安心感を犬が持てるようになるからです。
「待て」が身につけば、ワンちゃんは自身の感情よりも、飼い主さんの指示に従うことを優先するので、わがままを起こしにくくなり穏やかな心を保ちやすくなりますよ。
「待て」をワンちゃんに教えると、精神面も変化させられるんです。
子犬に「待て」をさせるためのトレーニング
具体的に、子犬に「待て」をさせるためのトレーニング方法を解説しますね。
子犬にできる限りスムーズに覚えてもらうために、トレーニングを始めるタイミングを見計らってから、実際のトレーニングに入ってくださいね。
子犬に「待て」のトレーニングを始める時期
まずはトレーニングに入るタイミングについて、解説します。
子犬の場合しつけそのものが、まだされていないため、比較的早い時期からトレーニングを始められます。
- 家に迎え入れ、子犬が部屋の環境に慣れてから
- 迎え入れから目安は1~2週間後、自身でリラックスできるようになってから
上記2点をクリアしている場合、「待て」のしつけはいつ始めても構いません。
しつけそのものは脳がある程度発達した、生後2~3ヵ月頃から行うとよいでしょう。
犬と共生するためには、適切なしつけを適切なタイミングで行うことです。
次からトレーニング方法の解説に入りますね。
「おすわり」から発展させる
このトレーニングでは、確実に「おすわり」ができることがポイントになります。
- 「おすわり」の指示で座らせる
- 2〜5秒(犬が動かないでいられる時間)経ったら褒めてご褒美を与える
- ①と②を繰り返し、待つ時間を少しずつ伸ばしていく
ワンちゃんの「おすわり」がまだ不安定な場合は、「おすわり」をマスターしてから行ってくださいね。
飼い主さんの指示が混乱してしまい「おすわり」と「待て」の指示があやふやになってしまいやすいためです。
「動かないでいると褒めてもらえる」と教える
次にお伝えするトレーニング方法は、少々根気がいる方法です。
- 犬の正面に立ち、アイコンタクトができている状態で「待て」と言い、1〜2秒待たせる
- 犬が動き始める直前で、「いいこ」など声をかけて褒めてからご褒美をあげる
- ①と②を繰り返し、静止時間を少しずつ伸ばしていく
このトレーニングで一番重要な点は、犬が動く前にご褒美をあげるということです。
動いてから褒めてしまうと、「動かないでいる=褒められる」と学習できませんので、褒めるタイミングは気をつけてくださいね。
もし褒めるタイミングを逃したときは、時間をおいて再チャレンジしましょう。
犬の習性を理解して子犬の「待て」ができないを克服しよう!
今回は子犬が「待て」ができないときの理由と、そのトレーニング方法をご紹介いたしました。
そもそも「待て」ができない理由は次の3つです。
- 子犬はそもそも落ち着きがない
- 環境が影響している
- エネルギーの発散ができていない
子犬は元気であればあるほど落ち着きはありません。
共に生きるために環境を整え、上手に子犬のエネルギーを発散させてあげることが大切です。
子犬の性質の理解して、信頼関係を深めましょう。
「待て」とは、指示と同時に動きを止め許可が出るまでその場で静止させることです。
「待て」と似ている「おすわり」と「休め」の2つの指示も理解して、使い分けるとよいですよ。.
次に「待て」が苦手な犬種や性格などを解説しました。
- 「待て」が苦手な犬種は、柴犬やコーギー、テリア犬種など
- 「待て」が苦手な犬の性格は、好奇心旺盛で我が強い性格やアクティブで活発な性格
犬も人間と同じように、それぞれ性格の違いがあります。
ワンちゃんの性格をしっかり理解してから、トレーニングを始めましょう。
さらに犬が「待て」を学習することによって、得られるメリットは2つです。
- 犬の衝動的な行動を抑制できる
- 犬の精神面を鍛えられる
ときには我慢することを教えるのは、大切なワンちゃんの命を救うことにもつながりますし、心を鍛えることにもなります。
子犬に「待て」のトレーニングを始める適切な時期は、迎え入れてから家の環境に慣れた頃(1~2週間後)です。
実践的なトレーニングは、次の2つです。
- 「おすわり」から発展させる
- 「動かないでいると褒めてもらえる」と教える
犬の性格にもよりますが、子犬であれば根気と継続しだいで、「待て」を学習させることはそれほど難しいことではありません。
大切なワンちゃんとの生活のため、ぜひ「待て」をしつけましょう。
この記事を参考に、ワンちゃんに合ったしつけをしていただけると幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。